獲得免疫にも二種類ある
獲得免疫には液性のものと細胞性のものの2種類の機構があることは、何度も述べてきました。
細胞性免疫の中心になっているのがキラーT細胞で、液性免疫の中心になっているのが後述する抗体です
細胞性免疫のおもなはたらきは、ウイルスに対する攻撃とがん細胞を破壊することです。
それを担当している細胞力汀h-1というTリンパ球の一種です。骨髄でつくられたリンパ球が胸腺に移動すると、成熟したT細胞になります。
T細胞は胸腺の中で、それぞれCD4抗原とCD8抗原をもったT細胞に分化します。その中でCD4T細胞はヘルバーT細胞といわれ、CD8T細胞はキラーT細胞と、それぞれいわれています。
CD4T細胞はさらに分化して、Th-1とTh_2という細胞に分かれ、このTh l細胞がキラーT細胞やマクロファージをそれぞれ活性化して、細胞性免疫の中心としてはたらくというわけです。
Th-l細胞の表面に敵を認識するレーダーがあり、ウイルスの感染があると敵と味方を見分けます
敵だと判断するとキラーT細胞やマクロファージを活性化します。
マクロファージはウイルスを攻撃する数種のサイトカインを放出し、キラーT細胞は直接ウイルスに対して攻撃をしかけます。
私たちの体の中にがん細胞は毎日約5000個も出現してきますが、細胞の表面にあるがん細胞を見つけ、それで敵だと認識して活性化したマクロファージやキラーT細胞が、NK細胞と共同でがん細胞を破壊するのです。