抗体は外敵をやっつける役割がある


液性免疫の中心的役割を演じているのが抗体です。抗体がつくられるしくみについて、まず解説してみましょう。

細菌などの病原体が体の中に侵入すると、まずマクロフアージという細胞が出現して、その病原体を食べてしまいます。

マクロフアージはその病原体の情報をヘルバーTリンパ球(Th-2)に伝え、この細胞がBリンパ球にさらに情報を伝え、Bリンパ球がこの情報にもとづいて、その病原体に特異的に吸着し、破壊する「抗体」をつくります。

したがって、マクロファージは食細胞とか抗原情報伝達細胞とか呼ばれています。

Bリンパ球は抗原産生細胞と呼ばれています。抗体は、基本的にはY字型をした分子量約20万のたんぱく質です。

このY字型の先端部分が病原体の種類によって異なり、そこに三度目に侵入した病原体を付着させて破壊するわけです。

しかしこの抗体は、病原体を排除するはたらきばかりをするわけではありません。

実は、抗体にはigG、lgE、lgA、!gMなどいろいろな種類があります。病原体を排除したり、ワクチンの効果を発揮するのがIgG抗体ですが、アレルギー反応を起こすのは、IgE抗体なのです。

アレルギー反応については後述しますが、肥満細胞というヒスタミンセロトニンを含んだ大型細胞が破れた状態がアレルギー反応なのです。

IgE抗体は、この肥満細胞の表面に付着する性質があるのです。

Y字型の先端部分がダニなどのアレルゲンを特異的に結合しますが、Y字型の尾端部が肥満細胞に付着する性質があって、アレルギー反応を起こします。